
付属物
箱溜塗 貼紙 書付 官盩子
同蓋裏 籠書付 文如上人筆
伝来
織田信長―豊臣秀吉―西本願寺
寸法
高サ3.9cm
口径7.5cm
重サ50.5g
鎌倉彫の工匠は、禅僧の渡来とともに、鎌倉にとどまり、主として仏器の製作につとめたが、この香合もその一つとして造られたものと思われる。それは箱貼かんいつし紙に、官盩子と作者名をしるしていることによってもうなずかれる。
織田信長より豊臣秀吉に、それから西本願寺に伝来したことは文如上人が箱にしるしている。かつては、西本願寺の茶会に用いたことも、茶会記に見える。
もともと禅僧の釉香合に用いたものであることは、この香合の身、蓋の合口によってもわかる。すなわち釉香合は携帯用のための香合であるから、一か所のかみ合いがかたく造られているのである。
鎌倉香合によく見られる白楽天の潯陽江の故事にもとづく松に酒瓶の絵であり、古色蒼然としてこの種の最古作であることを証明している。
表内ともに完全に保存されていることは伝来の確かさを物語る。


