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黄類

黄類(きあるい)

古瀬戸 芋の子 (所蔵:東京 三井守之助 氏)

【名称の由来】
里芋(芋の子)のような形をしており、黄色い釉薬が雪崩のように垂れた景色(置形)があることから、この名が付けられています。

【寸法・重量】
高さ:約7.15 cm(2寸3分6厘)
胴径:上部 約6.21 cm(2寸5厘)/ 中部 約6.06 cm(2寸)
口径:約3.64 cm(1寸2分)
底径:約4.55 cm(1寸5分)
甑高(こしきだか):約0.36 cm(1分2厘)
重量:約128.25 g弱(34匁2分弱)

【付属品】
・蓋 1枚:象牙製
・仕覆(仕服)1つ:笹蔓緞子(地色は裏葉色・七才、緒・つがりは茶色)
・挽家(ひきや)1つ:錣刀木(しころたがやさん)、金粉の文字で「芋ノ子」と表記
・箱 1つ:桐白木箱、小堀宗慶の書付で「黄類」と表記

【雑記・記録】
・『遠州蔵帳』の記載:「きなたれ 瀬戸」
・『遠州蔵器財写』の記載:「瀬戸きなたれ 宗慶様御筆」
・『小堀家道具外出留帳』の記載:元禄7年(1694年)5月24日、「黄類茶入」を金2両で売却。平塚平兵衛の仲介(肝煎)により代金を受領。

【伝来】
もと小堀遠州が所持していたもので、その後、島原藩主・松平主殿頭(まつだいらとのものかみ)家に伝わりました。大正7年(1918年)12月に同家の蔵品売却(入札)が行われた際、現在の所持者(三井守之助氏)が落札しました。

【実見記(実物観察の記録)】
大正9年(1920年)6月20日、東京市麻布区鳥居坂町の三井守之助氏邸にて実物を観察。
全体として里芋に似た形でやや厚手のできあがりです。全体に黒飴釉、柿釉、金気が複雑に混ざり合った味わい深い景色(模様)をなしています。特に肩のあたりからやや幅広く垂れた黄色い釉薬(黄釉のなだれ)は、下部の高台付近(盆附)にまで達して止まっています。その釉薬が厚く溜まった部分の中には、黒飴釉の点がひとつ見られます。
裾から下は鼠色の素地(土)が露出しており、底の糸切り痕は鮮明で、切り始めの点に食い違い(段差)があります。
内部は全体に釉薬が掛かっており、ろくろ目が荒く連続しています。底の中央部は渦状の跡をなしています。

【原文】

黄類

古瀬戸 芋の子 東京 三井守之助氏蔵

名称
芋の子形にして黄なだれ置形あるを以て此名あり。

寸法
高 弐寸参分六厘
胴径 上部にて弐寸五厘 中部にて弐寸
口径 壹寸武分
底径 壹寸五分
甑高 壹分弐厘
重量 参拾四匁弐分弱

附属物
一蓋 一枚 象
一袋 一ツ
  笹蔓純子 裏葉地七才 緒つがり茶
一挽家 錣刀木 金粉字形
  芋ノ子
一箱 桐白木 書付小堀宗慶
  黄類

雑記
 瀬戸
 黄なだれ

きなたれ 瀬戸。(遠州蔵帳)

瀬戸きなたれ 宗慶様御筆。(遠州蔵器財寫)

元禄七年戊五月廿四日 黄類茶入 金二両
右平塚平兵衛方肝煎にて賣申候則金子請取(小堀家道具外出留帳)

傳來
元遠州所持にして、島原侯松平主殿頭に傳はり、大正七年十二月同家藏品入札の際、現所持者に落札せり。

實見記
大正九年六月二十日東京市麻布區鳥居坂町三井守之助氏邸に於て實見す。
芋の子形稍厚手にて、總體黒飴釉柿金氣錯綜景色を成し、殊に肩先より稍幅廣き黄釉一ナダレ盆附に至りて止まる者釉溜厚く、其中に黒飴釉一點見ゆ、裾以下鼠色土を見せ、糸切鮮明にして其起點に喰違ひあり、内部總體釉掛り、轆轤目荒く続く、底中央渦状を成す。

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