Dish with cherry design、 enamelled ware
高さ8.8cm 口径20.0cm 高台径10.8cm
東京国立博物館
天空に飛鳳があれば、地上には桜花が爛漫と咲き誇って春を謳歌しています。この桜の図は鍋島宗藩家に伝わった焼き物下図のうちにあるもので、その図中に享保三年の年紀が記されています。しかし、皿の作振りは上質で、おそらく享保以前の作と思われますが、下図中の年紀は必ずしも概当作品の制作年代を示すものでもありませんので、享保以前に焼造されていても不思議ではありません。
桜樹の幹や枝の染だみの発色がまことに鮮かであるため、画面全体が明るく、しかも引き締まって見えます。裏側には七宝結文、高台には櫛目文がめぐらされています。五客完好な状態で揃っています。