正倉院の陶器 しょうそういんのとうき

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鶴田 純久の章 お話

奈良正倉院の宝庫に現存するやきものは左の通り。
品名に磁とあるのは瓷と混同して用いられたもので、釉の掛かったやきものという意味であるようで、今日いう磁器の類ではないようです。
この種のものはすべて日本製であるようで、中国製とする旧説は誤りであります。
「北倉」北倉には十個の土器があります。
いずれも行基焼と称する類の黒灰色(瓦色)の土器で、灰のために光沢を呈したところがあるようで、あたかも食塩釉を施したかのようであります。
芒消一壺、戎塩壺一口、治葛壺一口、薬壺五口、薬坑二口。
【中倉】青斑石硯一枚。
【南倉】南倉には六十五個の陶器があるようで、いずれも唐三彩風の鉛釉が施されています。
磁鼓一口、磁鉢二十五口、磁瓶一口、磁皿二十九口、磁塔残闘九枚。
(松本佐太郎)

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