骨董界における俗称で、いわゆる祥瑞手に赤絵を加えたものをいいます。
ときどき嘉靖(1522-66)の年款があるものをもこのように称しますので、祥瑞赤絵というものは模糊としていて捕捉するのに困りますが、この称で呼ばれるものには、見込に兎の白抜きがあるようで、周囲を染付と赤絵で互い違いに書き詰めた針木の皿などをみます。
本手の祥瑞よりやや古い古染付あるいは元祥瑞と称する染付磁器で、いわゆる祥瑞文様がありその部分に赤絵のあるものをいいます。
近頃では色絵祥瑞という言葉の方がよく用いられます。
(『茶わん』二〇)