釜

四方口釜西村九兵衛作。口造りが升のような大きな四角形をした珍しい形の釜である。肩は撫肩とし、羽はなく、底を尾垂としている。鐶付は象の鼻のような形の刀豆で、蓋は共蓋のほかに花の実摘みの唐金蓋がある。釜肌...

四方釜口造りは低い繰口で、胴は「蒲団釜」の四方を切りとったやや背の低い方えみよう形をし、二方に与次郎風の鬼面鐶付を付けている。肩は四隅が撫肩になり、釜肌は細かい荒肌をし、唐金の恵明蓋を載せている。安定...

四方釜西村九兵衛作。口造りは甑口とし、肩はわずかに落とし、胴は四方にした風炉用の釜で、胴に二段の雷文繋ぎの地文を付け、正面に仙叟の名判が鋳込まれている。鐶付は折枝の橘で珍しい。共蓋と唐金掬蓋をしている...

望月天命釜。東山御物。ふっくらとした丸釜である。口造りは低い甑口とし、鐶付は鬼面で肩のすぐ下に付けられている。胴は無文で、肌は細かな荒肌につくられ、天命の特徴をよく示している。花の実摘みの唐金盛蓋を載...

宮嶋釜芦屋釜。口造りはわずかに外に開いた繰口とし、肩に張りがあり、鐶付はしころ鳥居を二つ割にした形をしており、羽は綴羽で、表に波文を鋳出している。胴はやや胴長で、文様はなく、正面に「宮鳴」の文字を陽鋳...

政所釜口造りは大きな姥口で、胴は背の低い筒形とし、羽は羽落ちにした落ち着きのある釜で、鐶付には与次郎風の鬼面を付けている。胴には大きな菊文桐文を重ねた菊桐文を、雅味のある線表現で鋳出している。広い口に...

丸釜辻与次郎作。肩のなだらかな丸い釜で、口造りは低い輪口とし、鐶付は与次郎風の鬼面鐶付を付け、羽は羽落ちとしている。釜肌は細かなちりめん皺の肌で、形体が単純なところから瀟洒な感じをもっている。蓋は唐金...

松竹鶴亀文釜芦屋釜。真形。口造りは繰口、鐶付は鬼面で、羽を落とし、底を替えている。豊かなふくらみをもつ胴は、一面には竹に鶴と亀を現わし、他面には洲浜に松樹が生え、傍らに鶴が降り立つ光景を現わしている。...

牡丹獅子文釜芦屋釜。名物。真形。口造りは繰口、鐶付は鬼面、羽を落とし、底を替えている。肩には二筋をめぐらし、中に擂座を配し、胴には牡丹に獅子を現わしている。釜肌はきめが細かく、一部に挽き目がみられる。...