
スマホやパソコンで行えるゼーゲル調合計算アプリを作ってみました。
下記のアドレスより開けます。お気に入りやブックマークなどに登録したり、スマホなどでホームに保存で使えます。
使い方は
原料を選んで調合する数量を入力するだけでゼーゲル式が解るようになっています。
それとゼーゲルコーンのゼーゲル式も合わせて比較すると解りやすいと思います。
基本理念
陶芸におけるゼーゲル計算式(ゼーゲル式)は、土の配合や釉薬の調合を「重さ(グラム)」ではなく、化学的な「分子の比率(モル比)」で捉えるための強力なツールです。
これを使うと、原料が変わっても同じ発色を再現できたり、狙った質感(マット、透明、結晶など)を科学的にコントロールできたりします。
ゼーゲル式を現場でどう活用すればいいのか、その具体的なステップとメリットを分かりやすく解説します。
1. ゼーゲル計算式の基本構造
ゼーゲル式では、釉薬の成分を化学的な役割ごとに「塩基(RO・R₂O)」「両性(R₂O₃)」「酸(RO₂)」の3つに分類し、塩基の合計値を「1.0」としたときの比率で表します。
| グループ | 主な役割 | 代表的な成分 |
| 塩基(RO / R₂O) ※合計を1.0にする | 融剤(フラックス) 釉薬を溶かす役割。融点や発色、貫入に影響。 | K₂O・Na₂O(長石類) CaO(石灰石) MgO(タルク) BaO・ ZnO など |
| 両性(R₂O₃) | 粘性・安定剤 釉薬の粘性を保ち、流れるのを防ぐ。 | $Al_2O_3$(アルミナ:カオリンや長石に含有) |
| 酸(RO₂) | ガラス形成剤 釉薬の骨格(ガラス質)を作る。 | $SiO_2$(シリカ:珪石や長石に含有) |
2. ゼーゲル式を活用する4つのメリット
① 違う原料を使って「同じ釉薬」を作れる
例えば、あるお気に入りの釉薬レシピ(調合比)があったとしても、採掘元の閉山などで「〇〇長石」が手に入らなくなることがあります。
ゼーゲル式があれば、別の長石や原料を組み合わせて化学組成を全く同じにできるため、同じ焼き上がりを再現できます。
② 焼成温度に合わせた調整がカンタンになる
釉薬が「溶けすぎる(流れる)」または「溶けない(カサカサする)」とき、ゼーゲル式を見れば一発で原因がわかります。
- 溶けすぎる場合: アルミナ($Al_2O_3$)やシリカ($SiO_2$)を増やす。
- 溶けない場合: 塩基(融剤)のバランスを変える(例:低温で溶ける $Na_2O$ や $B_2O_3$ を増やす)。
③ 質感(マット・透明・光沢)をコントロールできる
釉薬の質感は、主にアルミナとシリカの比率($SiO_2 / Al_2O_3$ 比)で決まります。
- 光沢・透明釉: シリカの比率が高い(比率 1:4 ~ 1:10 程度)
- マット(艶消し)釉: アルミナの比率が高い(比率 1:3 付近など。アルミナ結晶が析出してマット化する)
④ 狙った「発色」を安定させる
織部(銅)や志野(長石ベース)など、金属酸化物の発色は周りの塩基(特に対イオンとなる成分)によって劇的に変わります。ゼーゲル式で塩基の構成を固定しておけば、発色を完全にコントロールできます。
3. 具体的な活用のステップ
現代の釉薬調合では、面倒な手計算ではなく「釉薬計算ソフト」やExcelの計算シートを使うのが一般的です。
ステップ1:既存のレシピをゼーゲル式に変換する
まずは、今使っている「長石40%、石灰石20%、カオリン10%、珪石30%」といった重量レシピをソフトに入力し、ゼーゲル式(分子比)に変換します。
ステップ2:課題に合わせて数値をいじる
「もう少しマットにしたいな」と思ったら、ソフト上で $Al_2O_3$ の値を少し増やしてみます。
ステップ3:新しい重量レシピを逆算する
変更したゼーゲル式から、現実の原料(グラム)にソフトが自動で逆算してくれます。「新しい原料の組み合わせ」がこれで完成します。
まとめ:まずは「限界線」を知る手がかりに
ゼーゲル式を使いこなすと、「この調合だと、1230℃では絶対に溶けない(または流れすぎる)」ということが、実際に焼く前に予測できるようになります。 実験の無駄な回数が劇的に減るので、打率高く理想の釉薬にたどり着けるのが最大の強みです。
現在、何か具体的な調合でお困りのこと(「手持ちのレシピをマットにしたい」「この原料を代用したい」など)はありますか?もしあれば教えていただければ、具体的な調整の方向性をご提案できます!
現代では釉薬は長石で仕立てるのが当たり前ですが、17世紀1600年代までは整形される土を使用した釉薬が作られていました。
土とか釉薬とかを別々に分けて考えずに同等に考える概念が必要です。




