書名。和本四巻。大西林五郎編、松山堂蔵版。
発刊は1913年(大正二)で、以後十余版を重ねました。
その内容は単に在来の諸説を収録したにすぎないもので、誤説も相当に多いようです。
巻末に朝鮮陶器を付記し、巻頭に陶器の製法を掲げたのが注目されます。
これは『国華』第四号以下に所載の『本邦陶説』の翻案であるようで、銘はモースの『日本陶器目録』の複写であります。
なお大西林五郎はこのほか、『支那陶磁全書』(四巻)・『日本陶工伝』(三巻)・『日本陶誌』(二巻)・『註釈青甕説』(一巻)などを出しましたが、いずれも編纂で同氏自身の研究は少ないようであります。