日本陶器株式会社が開発した特高圧碍子部門を継承し1919年(大正八)五月に資本金二百万円で設立。1928年(昭和三)八月、ハロップ式トンネル窯を導入、翌年四月60。1936年(同一一)十月、点火栓部門を分離し資本金百万円の日本特殊陶業株式会社を設立。この間1920年(大正九)十月には中国の大連に設立されていた大華窯業公司に対し技術指導を行ない、ハロップ式窯を築いて満鉄・華北電電など大陸の国策会社へ通信碍子・高圧碍子・耐酸磁器などを供給。第二次世界大戦中には電波兵器用碍子・呂号兵器用ロケット燃料すなわ濃縮過酸化水素蒸溜装置の生産に専念し、軍需会社に指定された。戦後は電力会社の再編・未曾有の電源開発を背景に躍進し、輸出部門も遂次拡大して世界最大の碍子碍管会社へ成長。1960年代後半の高度成長期には広く工業用陶磁器・特殊金属分野を開発。最近は公害防止機器部門にも進出して顕著な成果を上げつつある。