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鶴田 純久の章 お話
丹波 甕
丹波 甕

Tamba ware: jar. 14th century. Height 42.7cm.
Japan Folk Craft Museum.
14世紀
高さ42.7cm 口径25.4~26.7cm 胴径40.8cm 底径18.8cm
日本民芸館
 三本峠や源兵衛山など鎌倉時代の古窯跡から発見される甕の形態は常滑のそれと全く変わりません。とくに口縁の形状において著しい類似を示しています。しかし、鎌倉末期には常滑風の甕はなくなり、丹波独特の甕に統一されます。丹波独自の甕がいつごろから出現するか、まだ明らかでありませんが、この甕はそうした丹波独自のごく初期に属するものでしょう。くの字形に大きく屈折した胴形は鎌倉後期の様相を示しています。しかし、口づくりは大きく外反して、折り返されることなく、丸口になっています。素地はきめの細かい良質の土を用い、明るく焼き上げられていて、肩の全面に淡緑の自然釉が被り、溢れて胴下半に流下しています。

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