Mokubei: tiered food box in bail-handle tray with dragon and wave design, blue and white
Height 23.8cm
Tokyo National Museum
高さ23.8cm 底径22.1×23.0cm
東京国立博物館
江戸時代を通じて、数奇者の間で賞玩された中国の染付は、明末天啓年間に焼造された南京染付 (今日では古染付と呼ぶ)と崇禎年間の祥瑞が圧倒的に多いです。したがって、日本の各地で焼かれた染付の多くも古染付と祥瑞を倣い、幕末京焼の名工たちも例外ではありませんでした。しかしなかには嘉靖や万暦の染付を範としたものもあり、木米が 「青花堤梁層々盂 龍戯海濤図 甕米造」 と箱書付したこの作品の文様は、明らかに万暦染付を倣ったものです。
四方隅切二段の重箱が堤梁のついた底枠に納まるように作られ、重箱は蓋から身にかけて四隅を除いた各面に龍と波濤文があらわされていますが、龍の姿態や波濤は万暦染付を忠実に倣っています。堤梁は染付濃地に紗綾形文、底枠には雷文をめぐらしています。下段の底裏に「古器観製」 の銘が長方二重枠内に針彫りされていますが、木米の作品としては大作に属します。笠置達子氏が東京国立博物館に寄贈されたものです。