牡丹獅子文釜ぼたんししもんがま

牡丹獅子文釜
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鶴田 純久の章 お話
松梅文霰釜
牡丹獅子文釜

芦屋釜。
名物。
真形。
口造りは繰口、鐶付は鬼面、羽を落とし、底を替えている。
肩には二筋をめぐらし、中に擂座を配し、胴には牡丹に獅子を現わしている。
釜肌はきめが細かく、一部に挽き目がみられる。
花の実摘みの唐金一文字蓋を載せている。
獅子に牡丹は古くから工芸品に使われた意匠であるが、釜にはあまり例をみない。
文様の表出は古鏡文様のような浮彫風で、獅子の顔はユーモラスであり、洒脱な味がある。
また鐶付は大きく、鋳上がりがよく、格調のある美しい釜である。
足利義政伝来といわれるが、東山期まで上ることはむずかしいかもしれない。
【伝来】 近衛家―小堀遠州黒田正玄
【寸法】 高さ:22.4
【所蔵】五島美術館

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