尾張瀬戸の古窯。
瀬戸市の南東部にあります。
初代藤四郎の窯跡の一つで、ここで焼かれた茶入を朝日春慶といいます。
その後宝暦年代(1751-64)になって、同地の川本治兵衛はこの窯および夕日窯が長い間途絶えているのを嘆き、川本半助と図ってこれを再興しようとしたが村規に阻まれ、たびたび藩主に訴えたすえ1770年(明和七)4月ついにその両窯を瀬戸村地内字経塚山に再興することができ、長い間途絶えていた海鼠壺を製出しました。
なお朝日古窯のほうの年代は室町時代の末期と推定され、白天目・黄瀬戸小皿・椿手末期のもの・茶入・絵志野初期のものなどを出土しました。
(『尾張名所図会』『をはりの花』『尾濃古窯趾案内』)