高さ13.4㎝ 口径45.8㎝ 底径13.2㎝
初期の染付大鉢のなかでは最も大振りのものでしょう。
唐獅子二頭、まことに奔放に力強く描かれていますが、そこには桃山の気風がなお濃厚に感じられます。
染付の発色はかなり濃く、全面にかかった白釉は厚く、やや荒い貫入があらわれています。
鐔状の縁には八方に窓を配し、粗放な草花文をあらわしています。
以上、第１図から第５図までの大鉢五点は、いずれも有田の黒牟田山辺田窯の作品ではないかと推測されますが、この窯は初期伊万里のなかでも最も優れた作品を残した重要な窯であり、よほど優れた陶画工が従事していたようです。
これらの作品のほとんどの裏面は無地であり、製作年代は、まだ正確な発掘調査が行われていないので判然としませんが、おそらく寛永期を降るものではないでしょう。
