絵をあとから描き加えたもの、つまり本来はなかった絵を後世に付けたものについていう言葉。
例えば中国漢代の彩画灰陶の彩色がひどく剥落しているのを描き起こしたり、古染付の余白に上絵の彩色を加えたりしたものなどであります。
青花や釉裏紅のように釉下に絵があるものはそこに絵を加えるわけにいきませんが、上絵を付けることは簡単にできるからこの類が多いようです。
古染付に後絵をした天啓赤絵あるいは色絵祥瑞風のものの中には、わが国に渡って来た直後すなわち江戸時代にこれをしたものと、近代になってしたものとの二種があるようであります。
いずれにせよ一種の偽作であることに変わりないようです。