Five dishes with dandelion design. enamelled ware
高さ5.1cm 口径20.1cm 高台径10.8cm
梅沢記念館
蒲公英を五株上下二段にあらわしています。春の野辺に咲く雑草ともいえる蒲公英のみで一つの文様を構成しているのは、おそらく色絵鍋島以外には見ないでありましょう。藩窯であったから吉祥文を多く好むのは当然ですが、このような素朴な材料をとりあげ、色絵の美しさのなかに生かすのも鍋島の特色で、その意匠の選択が決して形式主義的でないのが、江戸時代中期の大藩の御用窯の作としては興味深いです。やはり七寸皿の代表作の一つで、染付、色絵ともに理想的に焼成されていますが、ことに葉の緑の発色が群を抜いて鮮かです。外側は、例によって六個の七宝文を結んで一つのパターンとした七宝結文を三方に、高台には櫛目文をめぐらし、高台畳付の胎土はやや赤く焼き上がっています。五客揃っています。