田圃の底から採掘した粘土。
丘陵の粘土が風化して雨水に洗われ、谷底に沈澱した粘土層を掘り出します。
キメのこまかな鉄分の多いことが特徴で、水簸して肌の滑らかな有色妬器をつくるのに用いられています。
粗妬器の原料は水簸せずに掘り出したままのものを用います。
愛知県常滑市常滑および隣接の板山(半田市)・坂井(常滑市)・上野間・河和(知多郡美浜町)などの谷間の田圃の土が室町中期頃から採掘されています。
備前においてもこれとほぼ同様であります。
『茶器弁玉集』瀬戸茶入の巻、土の次第の条には「田土、白色也」と注しています。