高麗象嵌青磁に正陵の二字を黒土にて象嵌したものがあります。
かつての朝鮮総督府博物館所蔵のものは、京畿道開豊郡中西面の高麗恭慾王妃の陵墓正陵付近で小田省吾・加藤濯覚が蒐集したものです。
また小川政吉は全羅南道康津郡大口面の高麗窯趾で同様の遺品を発見しました。
これらは王妃苑去の年より王莞去の年まで、すなわち1365年から七四年までの間のものと推定され、高麗青磁の研究上貴重な遺品といえます。
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