常滑古窯址群 とこなめこようしぐん

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鶴田 純久の章 お話

愛知県常滑市を中心とした知多半島一帯の丘陵地帯に千百基の窯跡が確認され、その総数は三千基ともいわれている古窯址群であります。
一群は十数基から最大百基の古窯群をなしているもので、野間・南奥田・河和・中奥田・北奥田・鵜ノ池・上野間・布土・富貴・市原・大谷・古場・檜原山・本宮山・板山南・三ツ池・総心寺・高坂・柴山・板山北・多屋・前山・半田池・久米・矢田・矢高・乙川・大興寺・草木・福住・藤江・岡田・佐布里・巽ヶ丘・緒川新田・緒川・加木屋の各古窯群をなしています。
いずれも害窯で、十二世紀初頭頃から盛大に焼かれており、平安後期から鎌倉時代にわたって壺や甕を焼き出していたもので、いずれもダイナミックな男性的なやきものでありますが、多くのものは壺の肩からグリーンの灰釉がタラタラと流されています。
壺・甕・鉢・茶碗・小皿・寺院瓦・その他の遺物が主として窯跡から発掘されています。
古常滑と称せられているものであります。
広島県福山市の草戸千軒の遺跡から大量の古常滑が発掘されたのが西の限界で、四国から東へかけて青森県までの各府県の経塚・墳墓・神社・寺院の遺蹟から多くの古常滑が発見されていますが、なかにも鎌倉海岸には大量のものが見られています。
岩手県平泉の中尊寺の発掘からも古常滑が出土して注目を浴びています。
古常滑の甕には刻文があるもの、特有の押印が押されているものが多くあって、古常滑の特徴に数えられています。

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