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鶴田 純久の章 お話

真中古茶入の一手。
本歌野田はもと奈良弥兵衛が所持していたが小松黄門がこれを召し上げ、のち小堀遠州が弥兵衛の本姓野田をとって銘としました。
この茶入は1772年(明和九)松平加賀守邸で焼失しました。
野田手の土は赤色で少し黒味があり柔らかであります。
糸切は少し荒々と見えるが華奢で、釉溜まりは少し厚く黒釉があるようで、口造りの捻り返しが見事であります。
下釉は濃い柿色で少し黒味があるようで、上釉は茶入の肩を廻り濃い黒釉のなだれになっています。
この手の茶入はいずれも景色がよいです。
この手に属する有名なものには面影・猿若・宮城野・月迫・河菜草・山桜があります。
(『茶器弁玉集』『本朝陶器孜証』『茶道名物考』)

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