備前焼 びぜんやき

Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
備前焼茶碗
備前焼茶碗

備前国伊部(岡山県備前市)の産なので伊部焼ともいいます。
それゆえ世間では備前焼はすなわち伊部焼であるとされていますが、こまかくいいますと、手法上から両者を区別して呼び分けています。
一説にはまた、慶長(1596-1615)以前のものを備前焼(古備前)とし、慶長以後のものを伊部焼とするものもあります。
慶長以前の備前国内には熊山・磯の上・須恵・細工原・釜ヶ原などに陶窯があるようで、邑久郡玉津村(邑久町)の壁良焼、赤磐郡布津美村(吉井町)の黒沢焼、児島郡郷内村(倉敷市)の熊坂焼、邑久郡鹿忍(牛窓町鹿忍)の矢寄浜窯、同郡美和(長船町)の五六箇市窯などもすでに古くよりあるようで、これらの総称として備前焼の名がありました。
『遠州名物記』は「備前焼の名物、布袋、さび助、伊部焼の名物、走井、関寺と両者を分かちて列挙せり」と述べています。
ただ備前焼は汎称であるようで、伊部焼は詳細にいえば元来備前焼におけるある手法の作の呼称であるとしてよいです。
なお備前焼の窯印について『本朝陶器孜証』には右のような記事があります。
(『本朝陶器放証』『備前窯陶誌』『やきもの趣味』二ノ六・二ノーこ※りんべやき

前に戻る
Facebook
Twitter
Email