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鶴田 純久の章 お話
粉彩牡丹文大瓶
粉彩牡丹文大瓶

磁器上絵の一種。
軟彩とも呼びます。
中国清朝康煕・雍正年代(1662-35)に考案された不透明質の彩画で、雍正期に完成され後世に及んです。
これより先、明朝の嘉靖(1522-66)・万暦(1573-1620)の頃までに五彩風の上絵付は発展して各色を白山に使い絵画的表現をしていましたが、これらの彩料はガラス質の透明なものでまだ硬い感じを免れず、真の絵画とは調子が異なり特に筆跡のむらが見えて少し気になりました。
この透明質の五彩を硬彩と呼ぶのに対して、雍正の不透明質の粉彩を軟彩といきました。
軟彩はつまり磁邸質の彩料で、磁器上絵の技法も極致に達し、本当の絵画と同じように自由に筆を運ぶことができるうえ、柔らかく暖かい感じを与えます。
また色彩の調整も自由となり以前の五彩に比べれば非常に大きな進歩でありました。
しかしその末にはいたずらに繊細巧妙に流れ、素地・釉薬が進歩せず、大体においては退歩の始まりでもありました。
(『匋雅』『飲流斎説甕』『匋雅集』)

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