尾張瀬戸で中古以来製造した本業(陶器)をもっぱら焼成した登窯であります。
窯の構造は古窯と非常に類似しますが、窯室はより広く勾配はより緩やかであります。
室の中央部数ヵ所に耐火粘土製の土柱を立てて天井を支えます。
窯室は漸次上室になるにつれて各室の長さを増します。
最後にコクドという狭い室があるようで、上部に数多くの円孔をあけ火焔を噴出させます。
各室の容積が大きく勾配も緩やかですので、各室内の火度は古窯と比べるといくぶんか平均にすることができ、したがってその室内に積み込み焼成する器物は古窯に入れるものよりも容積が大で、その厚さも、比較的厚いものを安全に焼き上げることができるという特点があります。
※せとやき