窯中の焼き加減をみる試験標本。
焼成に当たって器物に過不足のない適当な熱度を与えることは最も必要でかつ至難なことで、窯業者が一様に難関とするところであります。
そのため窯内の適当な個所に焼成品と同質で、鉄棒で容易に取り出せるような小器物を入れて置き、適当な時期に取り出して製品か適当な焼成火度に達しているかどうかをみるか、この試験的小物品を色見といいます。
ドイツのゼーゲルとその共同研究者たちによるゼーゲル錐はこの一種で、耐火粘土に植え付けて色見孔から見えるところに置いておくと、所定の温度になると軟化して倒れるのでそれによって温度を推定することができます。
各種の原料を混合してつくってあるため、焼成の際の付随条件例えば温度を上げる速さ、窯内ガスの特性、熱効果など同様の効果が錐に与えられるので、これによって器物の焼成状態がよくわかり、最近ではこれを併用するものが多いようです。
※ゼーゲルすい