Gray Shino shallow bowl with wagtail design
Diameter 28.5cm Agency for Cultural Affairs
高重要文化財
高さ11.0cm 口径28.5cm 三脚
東京国立博物館
鼠志野の鉢のなかでは妙味溢れる作振りで、第一の名作と称されています。腰にゆるやかな段をつけ、ゆったりと広がった口部は手で撫でて不均等な四方に取り、ゆるやかに抑揚をつけ、まるい底の三方に脚を配しています 見込中央に岩を白抜きに、岩上に線彫りで鴒を一羽あらわし、見込全体を溪流に見立てたのか流水が線であらわされています。岩にあしらった笹は白抜きの線彫りと、白地に絵付したものを配するなど、まことにきめ細やかに作為が働いています。
荒川豊蔵氏によると、見込の大きな岩と縁二か所の白抜きは、鬼板化粧を杓で流しがけした時かけ残された部分ですらしいが、とすれば作者の当意即妙の意匠感覚はまことに見事なものでありましたといえる。全体にかかった釉も滑らかによく溶けています。
