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鶴田 純久の章 お話
伊賀耳付花入 銘本願寺
伊賀耳付花入 銘本願寺

Flower vase with two handles, known as”Honganji” Height 27.8cm

高さ27.8cm 口径11.7cm 胴径13.1cm 底径12.5cm
 時代箱の蓋裏に、筆者不詳であるが「裏表有れと雌雄なし 故に号本願寺」とあり、正面も背面も花入として優れていることを認めています。ロ造りは外に開き、頸部に筋目を四段めぐらし、左右に四角い耳をつけています。胴裾の一方は緩やかに張っています。裾に横箆目をめぐらし、背面には強い凹凸があり、また縦箆目を鋭くつけています。前面にビードロ釉が厚くかかり、裾まわりは黒い焦げ膚になっています。古伊賀花入のなかでも傑出したものの一つであります。前面と背面につけられた欽付穴は現在填められています。

本願寺 ほんがんじ

本願寺
本願寺

伊賀耳付花入。口造りはべべら風で、首匹二筋の箆をめぐらし、大小のある耳を無造作に付け、やや捻った腰下には樹木の根元を想わせる重量感があるようで、正面ビードロ釉とカセがまじり合って面白く、腰下窪みの焦げの具合いもよいです。裏面は全面に赤みをみせ、箆使いが何とも巧みであります。
伊賀花入の約束を完備した見所の多い作品であります。
箱蓋裏に「裏表有ど雌雄なし、故に号本願寺」とあります。
この花入の表裏面それぞれに異なった持味を、本願寺には東西の別がありますが、信者にすれば分かちがたいことにたとえたものです。
《付属物》箱-桐白木桟蓋《寸法》高さ27.6 口径11.4~21.2 左右12.6 底径12.1~12.5 重さ2450

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