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鶴田 純久の章 お話

付属物 箱 桐白木 書付 松永耳庵筆
伝来 藤井某
寸法
高さ:8.3~8.5cm 口径:10.7~12.3cm 高台径:7.3~7.9cm 同高さ:1.0cm 重さ:435g

 鴻池伝来ならびに藤田家伝来の御所丸白茶碗―古田高麗と同手の茶碗です。
藤井某が所持したので藤井御所丸ともよばれましたが、近来、松永耳庵翁の命名で「ゆき」の銘がつきました。作風・釉調ともに。両古田高麗と近似し、御所丸白茶碗の三傑と称すべきでしょう。
 腰の張り出したまるい碗体を軽くおさえて沓形とし、腰の角に大きな箆削りを何か所か入れ、亀甲形に截った高台をつけること、すべて同前です。糸目のような細い轆轤目が走る筒なりの上部と、なた目の入った太く盛り上がった腰との対比が、いつもながちおもしろいです。釉は白を基調にかすかな紅と青のむらがそこここに現われ、見あきがしません。殊に腰から下では、釉が薄いせいもあって、気泡あとから入ったしみが雨漏りとなり、また釉がはげかかったところでは地土の黒がのぞいて、あたかも春のあわ雪が、はだれに土をおおったような風情があります。
「ゆき」の名も、ここから出たのでしょう。

ゆき ゆき

御所丸茶碗。
鴻池家・藤田家伝来の両御所丸白茶碗「古田高麗」(111頁上・下)と同手。
腰の張った丸い碗体を軽く押えて沓形とし、細い糸目の較幄目が走る筒形の上部と、錠目の大った腰との対比や、白釉を基調にかすかな紅と青むらが現われるなど、見飽きない。
釉の薄いところでは地土の黒がのぞき、春の淡雪がはだれに土を覆った風情で、松永耳庵の命銘。
藤井某が所持したので「藤井御所丸」とも呼ばれた。
作風・釉調ともに両「古田高麗」と近似し、御所丸白茶碗の三傑である。
【付属物】箱-桐白木、書付松永耳庵筆
【寸法】高さ8.3~8.5 口径10.7~12.3 高台径7.3~7.9 同高さ1.0 重さ435

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