硬質陶器 こうしつとうき

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鶴田 純久の章 お話

また長石質陶器ともいいます。
珪石質に富んだ素地に粘土と長石とを加えて可塑性を与え融合しやすくし、やや高い火度で締焼を行ない、次いで釉焼を行いました。
磁器のように質が堅緻で毀れにくく、また形状が正しく、しかも磁器に比べて安価であるという特徴を持ち、イギリス・アメリカなどにおいては日常欠くことのできない食卓用器に賞用され、衛生陶器にも用いられます。
ただし磁器よりも柔らかいため小疵が生じやすいです。
硬質陶器は1770年イギリスのパースレムの少年アストベリが、偶然デルフト(含錫釉陶器)にチャイナクレーを加えると色が白く硬くなることを発見したのに始まり、同国に多数の工場が起こり、改良大成があって十九世紀に入り欧米各地にこの技術が伝えられました。
わが国での硬質陶器製造は1902年(明治三五)名古屋に起こった松村硬質陶器合名会社がはじめてあります。
(『EncyclopediaoftheCeramicIndustries』『日本窯業大観』)

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