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鶴田 純久の章 お話
絵唐津松梅千鳥文壺
絵唐津松梅千鳥文壺

十七世紀初期 多久高麗谷窯
高14.4 径20.0
鉄分の少ない土で、轆轤による成形。口縁部の立ちあがった唐津としては珍しい形の壺です。高台は碁笥底形の内高台となっています。鉄砂で胴に松三本、梅三本を交互に、肩に二羽ずつの千鳥を三か所に描いています。太い点線と、藁の芯で描いたような細い線とを組み合わせて描く描画法は、多久高麗窯独特のもので、他窯にみられません。口縁部に鉄を塗って皮鯨にしています。厚く長石釉がかけられ、1230度前後と、やや低めの焼成のため、かいらぎ口縁部に梅華皮が出て景色となっています。

絵唐津水草飛鳥文壺

絵唐津松梅千鳥文壺
絵唐津松梅千鳥文壺

高さ13.7cm 口径9.1cm 胴径20.1cm 底径9.5cm
 唐津には広口の壺が多いですが、 この壺は珍しく小振りであり、口縁は外に反りかえらずに内にすぼまっています。 胴の張りも豊かで、底は高台をつけずに平底にしています。 胴には水草、 樹木、 千鳥などの文様がやや細い筆致で描かれています。 内外に釉が厚くたっぷりとかかり、釉膚は稀に見るやわらかみをたたえています。このような作振りの壺は他に例を見ません。 絵文様の筆致から推して多久高麗谷窯の作らしいです。

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