これらは前図までの一群の人形と比べると素地がやや粗悪であり、手には香炉や花入などを捧げています。素地が上質でないため、色絵の発色も鮮やかでない。そしてまた、顔立ちや髪形も前述の一群のものとは異なっています。図167は紗綾形紅葉散らしの小袖に 菊流水模様の打掛を着用し、右手に香炉を捧げています。図168は紗綾形水玉模様の小袖に、葡萄唐草の打掛を着用し、図169はやはり紗綾形水玉模様の小袖に、菊流水模様の打掛を着ています。図170は珍しく打掛を着用せず、菊流水模様の小袖を着用し、籠を手にしています。これらはいずれも底部に布目が残っています。