Large dish with crane and playing card design, enamelled ware
Mouth diameter 42.9cm Ishikawa Prefectural Art Museum
高さ9.5cm 口径42.9cm 底径18.8cm 石川県立美術館
前図が典型的な和様の文様でありましたのに対して、これは紅毛趣味を反映させた珍しい意匠であります。緑地に紫のスペード形を四方に配し、そのなかには白抜きでハート文を散らしています。中央に四羽の鶴、スペードの間にもやや小さく四羽の鶴を白抜きと黄彩であらわしていますが、配色の鮮やかさは抜群であります。製作年代は寛文から元禄の間でしょう。裏面におおまかにめぐらされた牡丹を様式化した唐花唐草文も、類例をほとんど見ない珍しいものであり、高台内の二重角内に「五郎太夫」の文字を書して緑釉をかけています。このような銘をもつものは数多い青手古九谷にも類例がなく、おそらく製作時になにか特別の意味がありましたものと考えられます。
