色絵 牡丹文 大皿

色絵 牡丹文 大皿
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
色絵 牡丹文 大皿
色絵 牡丹文 大皿

Large dish with peony design, enamelled ware
Mouth diameter 37.0cm MOA Museum of Art
高さ7.3cm 口径37.0cm 高台径19.5cm MOA美術館
 側面をまるく彎曲させた円形の大皿で、古九谷様式の皿にもっとも多く見ます単純な器形であります。見込中央に太湖石を中心に三輪の花をもつ牡丹があらわされ、大輪の牡丹花を濃い紫と緑の上絵で賦彩した 古九谷様式色絵の代表的な意匠であります。牡丹図の皿は五点ほど現存していますが、この皿の図はもっとも古格を示し牡丹の図を正八角形で枠どり 白抜きに朱線でくっきりと区画していますので、整然とした格調高い構図にまとまっています。縁文様は黄、緑、紫、紺青で賦彩され、内に黒線描きで七宝文と四方襷の地文が交互に描かれています。画面にはいっさい赤を用いず、区画線のみに赤を使っていますのが目に鮮やかに映える。裏面には三方に花を配した菊唐草がめぐらされいますが、その筆行きは極めて奔放で、黒線描きの上に紺青で上絵付しています。高台内の二重角内に「福」字銘が書され、その上にも紺青が施されています。磁胎は、図1など初期のものと比べるとやや上質になっています。

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