これらは染錦手の皿で、やはり元禄頃の作でしょう。図132は見込に太湖石と棕櫚をあらわし、まわりに梅などをめぐらした皿で、鐔状の口部を八弁の輪花にしています。高台内に目跡が五つ残り、内に角福銘が書されています。図133は見込に岩に梅樹の図を描き、まるく反り返った縁まわりには唐草文を三方に描いています。高台内に目跡が三つ 中央に角福銘を書しています。図134は見込に飛鳥を配した梅樹文、まわりに柘榴と桃の文様を配し、外側には二方に草花文を唐草風にあらわしています。高台内に小さな目跡が四つ残っています。図135は縁紅にした八弁輪花の皿で、見込に太湖石と菊や藤袴の文様をあらわしていますが、染付のだみ筆はまことに優美であり、花には金彩を加えています。高台内に目跡三つ、中央に角福銘があります。図136は見込中央に山水文、まわりに牡丹、柘榴などの文様をめぐらし、裏は白無地で高台内に目跡二つが残っています。図137は元禄頃の染付が、いかに巧緻なものでありましたかを示す作品で、見込にあらわされ三尾の魚は見事に描かれています。まわりには松竹梅の文様をあらわし、それぞれに上絵をさしています。外側には唐草をめぐらし、高台内に目跡が三つ、中央に角福銘を書しています。