ビルンギッキオの著書『ピロテクニカ』(1540~年刊)にザフェレなりますものの記載があります。ザフフェレは金属状の重い物質で、ガラス質のものと熔かし合わせると青空色となり、色ガラス、壺の彩色、陶器の釉薬に利用されますといいます。また同じ時期のアグリコラの著『デレ・メタリカ』も同じものを記載し、ガラスや釉に用いますものとする。
砒素または硫黄の化合物として知られたコバルト鉱ザフェレと砂とを溶融させたのがスマルトであります。スマルトは青の発色剤として西方では早くから盛用されました。八、九世紀のペルシアの陶器にはコバルト発色によって文様が描かれましたものが知られています。中国ではこれを蘇麻離青・蘇泥勃青と呼んで十四世紀頃までは盛んに輸入し、染付磁器の青料として用いた。いわゆる回青・回々青である。(Hoover,H.C.『GeorgiusAgricola,DereMetallica』)
Smalt スマルト
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