Ninsei: tea jar with design of pine sprouts and mountains, enamelledwareHeight 26.3cm Agency for Cultural AffairsRegistered as Important Cultural Property
重要文化財
高さ26.3cm 口径10.5cm 底径9.6cm
文化庁
茶壺といえば唐物茶壺の形を倣うのが通例であった。しかし、仁清はそこでも創意を働かせて 肩衝形茶入を拡大して肩の四方に耳を付けたかのような、独特の形式のものを作っています。この形式の茶壺では若松図と山寺図、さらに鳥図の三口が現存しています。
肩衝茶入に似た姿ですので、胴はやや細く作られていますが、玉縁に捻り返した口造りは他と共通のものであり、底もやはり平底です。
裾から底にかけてあらわれている素地膚の土味は他の茶壺に比してやや粗く、一部に緋襷のような焦げが生じています。
図5と同じく図柄以外の地には黒釉をかけて漆黒にし、胴に山を遠景に配して若松、桜、椿などをあらわしていますが、黒地にそれらがよく映えて鮮やかであり、吉祥図案としても他にみない構図です。
平らな底の左側中央に 「仁清」の大印が捺されています。これも京極家に伝来しました。
