Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
絵唐津 柳燕文 沓鉢
絵唐津 柳燕文 沓鉢

高さ8.5cm 口径11.9×16.4cm 高台径5.6cm
 厚手に作られた沓形の鉢で、胴には段をつけ、 高台は低く小さく削り出されています。 胴の一方に橋の絵を、 他方には柳の小枝と鳥を一羽描き、 見込にも、 柳の枝先と鳥を一羽描いています。 書き込みの少ない瀟洒な作振りの絵唐津で、 口まわりに薄く鉄釉を塗っていますが、一部海鼠状に変化して下になだれ、景色は味わい深いです。 高台の際にまるい刻文が残っていますが、 窯印とは思えません。 腰まわりに大きく横に割れが生じ、 灰白色の細かい土膚が高台にあらわれています。 織部の影響を受けた甕屋の谷窯の作でしょう。

絵唐津柳燕文沓鉢

絵唐津 柳燕文 沓鉢
絵唐津 柳燕文 沓鉢

高さ8.5㎝
口径11.9×16.4㎝
高台径5.6㎝
 これは完全に織部好みを体した沓鉢で、土膚もかなり白いため、いちだんと美濃ものに近い作品となりました。
総体に厚手で、胴の中央に大きく段落が入り、腰から強く切れ込んだ裾が、低く小振りな高台に達します。
口縁も水平ではなく、高低のうねりを見せる。
水挽きのときの屈曲がきつかったせいで、腰の角は土にひび割れが入り、釉が喰い入っていわゆる山疵を見せています。
絵は柳の一枝と燕のような飛鳥で、見込にも同図があるようで、反対側には橋が描かれています。
余白の多いあっさりした絵付ですが、ロ縁の太い皮鯨とよくつり合っています。
甕屋の谷窯の作と思われます。

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