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鶴田 純久の章 お話

高さ6.3cm 口径6.3cm 高台径3.1cm
 すんなりと開き気味に立ち上がったぐいのみで、 高台内をまるくおもしろく削り出しています。 全体やや厚手の作りで、 内外に藁灰釉をかけ、口まわりから胴の一部に飴釉をかけたかけ分けの斑唐津で、見込には釉が厚く溜っています。 かつて例を見ないもので、 唐津ぐいのみのなかでは出色の名品です。 大川原窯の作と推測されています。

斑唐津ぐい呑

高さ6.3㎝
口径6.3㎝
高台径3.1㎝
 唐津のさまざまな作品のなかで、一種独特の愛着をもって迎えられているものに、ぐいのみと呼ばれる猪口があります。
ほぼ掌のなかに大るくらいの小器で、珍味を大れるのぞき(深めの向付)に用いられたり、濁酒の盃となったりしたものらしい。
したがって形はほぽ筒形の単純なものがふつうで、特に目立った異形はないようです。
つまり造利的にどうこうというようなものではないから、見所は専らその釉調の面白さ、絵のあるものについてはその絵の趣に置かれることになります。
そして、酒好きの人々にとっては、この小器に酒を満して掌中に抱き、酒を味うかたわら、その風情をめでることがこよない楽しさにつながるといえよう。
ことさらめいた解説は、ここではむしろ無くもがなというものであります。

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