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鶴田 純久の章 お話
常滑 甕
常滑 甕

Tokoname ware: jar. Excavated from old ceramic kiln at Nishi-Shiinokiyama, Itayama-cho, Handa-shi, Aichi. 12th century. Height 61.5cm.
Tokoname Municipal Institute of Ceramic Art.
愛知県半田市板山町西椎ノ木山古窯跡出土
12世紀
高さ61.5cm 口径34.6cm 胴径52.5cm 底径12.3cm
常滑市立陶芸研究所
 完器として遺存する平安時代の常滑の甕のうちでは最も大きいものです。外反する口縁部のシャープな端づくりからみて古式の甕のグループに属するものですが、肩と胴の接合部の張り出しのつよい点や底部の小さい形態からみて12世紀後半代に降る作と考えられます。鉄分の多い、きめのこまかい土を用い、胴部二段・肩・口頸部の四段接ぎの成形で、常滑には珍しい猫描き手の整形痕が肩にみられます。焼成はきわめてよく肩の全面に黄褐色の自然釉がたっぷりとかかり、素朴なこの甕を見ごたえのあるものにしています。肩と胴の境に亀裂が多いです。

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