Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
常滑 甕
常滑 甕

Tokoname ware: jar. Excavated at Asaka-shi, Saitama. 12th century. Height 34.4cm.
埼玉県朝霞市出土
12世紀
高さ34.4cm 口径22.3cm 胴径33.5cm 底径14.7cm
東京国立博物館
 古式の常滑の経甕のなかでは最も釉調の見事なものです。口頸部と肩の接合部分がなだらかな曲線を描き、頸部の立ち上がりがやや内傾している点や大きく屈折して開く口縁端にわずかに縁帯のきざしがみえるなど、12世紀も末葉に近い作行きを示しています。胴部二段・肩口頸部の四段接ぎの成形で、器面は箟を縦に用いて整形しています。焼成は良好で常滑特有の茶褐色の器肌の上にたっぷりと黄緑色の灰釉がかかり、胴下半に流条下して、力感に溢れた見事な出来ばえをみせています。平安末期の常滑経甕の代表的な作品の一つです。

前に戻る
Facebook
Twitter
Email