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鶴田 純久の章 お話
常滑 甕
常滑 甕

Tokoname ware: jar. 13th century. Height 29.2cm. Aichi Prefectural Ceramic Museum.
13世紀
高さ29.2cm 口径26.2~27.0cm 胴径33.4cm 底径12.5cm
愛知県陶磁資料館
 比較的小型の甕ですが、常滑にしては珍しく端正な姿をしています。算盤形の胴とやや内傾する短い頸部との境がかなり不分明となっており、直角に外折する口縁端はわずかに上へ折り返されて 8.5mmの縁帯をつくっていて、いわゆる樋口になっています。鎌倉時代初期の典型的な形態をしています。胴部三段・肩・口頸部の五段接ぎの成形で、器面は箟削りによって平滑に仕上げられています。焼成は良好で黒褐色に近い器肌を呈し、肩にうすく朽葉色の自然釉がかかっています。小形の常滑甕のなかでは優品の一つに挙げうるものでしょう。

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