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鶴田 純久の章 お話
常滑 甕
常滑 甕

Tokoname ware: jar. Excavated from sutra mound at Hii, Nyakuichi-ōji Jinja, Hii, Hidaka-chō, Wakayama. Date of Hogen 3rd year (1158).
Height 33.3cm. Registered as Important Cultural Property. Hii Nyakuichi-ōji Jinja.
和歌山県日高郡日高町大字比井比井若一王子神社経塚出土
保元三年(1158) 銘
高さ33.3cm 口径21.5cm 胴径33.2cm 底径12.6cm
重要文化財
比井若王子神社
 この甕は宝暦七年(1757) 丁丑五月十三日、社殿の南のやや小高い、西南に向かって延びる丘陵の稜線に沿って営造された数基の経塚群の一基から、経筒の外容器として出土したものです。内部に納められた銅製経筒のなかに法華経八巻が埋納されており、その奥書に保元三年の紀年銘のあるところから、年代の明らかな基準資料として古くから著名なものです。口頸部と肩の境は明瞭であり、大き<外反する口縁部の端づくりは薄くシャープにつくられています。肩はつよく張り出しており、小さな底部に向けて屈折する胴の線は直線的で、きわめて端正な姿をしています。耐火度の高い土を用いた紐土づくり成形で、幅2.5cmの紐土を胴部二段 肩口頸部の四段につくり接いでいる。器面は縦に箟削り整形を施しています。焼成はきわめてよく、肩に施された灰釉はよく溶けて淡緑色の美しい色調を呈しています。古式の常滑経甕のうちでも最も優れたものの一つです。

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