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鶴田 純久の章 お話
加賀 壺
加賀 壺

Kaga ware: jar. Excavated at Karumi-machi, Komatsu-shi, Ishikawa. 14th century. Height 23.8cm.
Komatsu Municipal Museum.
石川県小松市軽海町第十六号墓址出土
14世紀
高さ23.8cm 口径11.0cm 胴径19.4cm 底径9.8cm
小松市立博物館
 軽海中世墓址群の一基から蔵骨壺として、河原石を蓋にして出土したものです。発掘当初 (昭和四十六年十月) はいずこの製品であるか不明でしたが、その後、加賀古窯の調査が進むにつれてその帰属が明らかになりました。太い口頸部の端を外に折り返して、幅1.3cm
 の縁帯をつくっており、肩の張った器形から受ける感じは常滑の三筋壺にちかいですが、口づくりはむしろ古瀬戸風です。おそらく両方の要素が取り入れられているのでしょう。素地は黄白色の緻密な土味で、器面は茶褐色を呈します。口縁部から肩にかけて全面に暗緑色の灰釉が被っており、その一部が胴部下半に流下しています。肩にし印の箟書きによる花押状の刻文があります。器形からみて南北朝ごろの作品と考えられます。

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