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鶴田 純久の章 お話
織部 木菟 香合
織部 木菟 香合

Oribe horned owl・shaped incense caddy
高さ4.5cm 口径2.6cm 底径21×2.8cm
 織部には木菟をあらわした作品が香炉や香合にときどき見うけられます。 だが、これほど愛すべき小さな佳器は他にない。 木菟の頸のあたりで身と蓋とに分かれ、 白い素地の上に黄土と鉄絵具で嘴や目、耳、 羽毛をあらわし、上から薄く長石釉をかけています。 合せ口のみ土見せで、蓋、身とも内部にまで釉がかかり、楕円形の底は平らで、目跡が五つ残っています。
 かつて予楽院近衛家の愛蔵でありましたらしく、 『槐記』 の享保十三年十一月十三日の条に、 この香合のことが記されています。 また箱には、内箱に「みみつく香箱 有楽所持なり」 外箱には織田有楽斎所持とやはり予楽院が書付しています。 有楽斎所持といいますからには、慶長、 元和の頃に焼かれましたものでしょう。 大萱の弥七田窯の作と思われます。

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