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鶴田 純久の章 お話
丹波 壺 銘猩々
丹波 壺 銘猩々

Tamba ware: jar, known as “Shōjō”. 14th century. Height 51.0cm. Hyogo Prefectural Museum of Ceramics.
14世紀
高さ51.0cm 口径26.5cm 胴径42.8cm 底径16.6cm
兵庫県陶芸館
 大きく開いた口縁端に幅1cmの面取りを施しており、やや肩の張失った、小さい大壺で、その形態からみて鎌倉時代後期の作かと考えられます。素地はきめの細かい良質の土を用い、紐土はぎづくりで、全体を七段に継いでいます。成形はあまり良好でなく、外面から継ぎ目が判るほどで、口頸部の中央に明瞭に現われています。
 非常によく焼き締まって赤褐色の光沢ある器面に鮮緑の自然釉が被り、底近くまで流下して、この大壺を一層ひきたたせています。耐火度の低い所為と土の練りの不十分さのために、全体に焼き歪みが生じ、大きな焼きぶくを生じているのは惜しいですが、いかにも鎌倉期の荒々しさを感じさせる大壺です。

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