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鶴田 純久の章 お話
丹波 壺
丹波 壺

Tamba ware: jar. 14th century. Height 45.4cm. Tamba Old Ceramic Museum.
14世紀
高さ45.4cm 口径15.0cm 胴径34.8cm 底径16.9cm
丹波古陶館
 丹波の初期の壺には高さと胴径の相近い丸胴のものと細長い胴のものがある。前者は刻文のあるものであり、後者はこの壺とか兵庫県陶芸館の「布引」 (図150) などです。短い外反する口頸部、つよく張った肩、底に向けて直線的に細くなる胴部の形状は鎌倉後期の壺の特徴です。紐土を数段に接いで成形、器面は刷毛目横ナデ整形で 成形時の削り痕が胴下半に顕著にみえています。焼き上がりはきわめて良好で、茶褐色を呈し、肩にかかった濃緑の自然釉が胴下半にまで滝のように流下し、表面の一部が褐色に焦げて幽玄な雰囲気を出しています。数少ない鎌倉時代の大壺のなかでも最も優れたものの一つです。

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