Tamba ware: jar. 16th century. Height 46.0cm.
Hyogo Prefectural Museum of Ceramics.
16世紀
高さ46.0cm 口径16.3cm 胴径39.2cm 底径17.0cm
兵庫県陶芸館
肩の付け根から屈折して大きく外反する口づくりをもったこの壺は刻文壺にみられる丸胴形式の壺の系譜をひくものである。この手の壺の口づくりは玉縁風の折り返しになりません。なで肩のやや算盤玉型にちかい胴の形は古そうですが、細くしまった頸部や櫛を縦に用いて器面調整を行なった、いわゆる「猫掻き手」の手法を用いていることから16世紀を遡り得ないでありましょう。素地が黄褐色に明るく焼き上がり、肩から胴にかけて流下する自然釉が濃緑の鮮やかな色調を呈するのもこの時期の特色です。紐土づくりながら成形技法は進歩し、接ぎ目を感じさせない端正なつくりになっています。肩Xの窯印が刻まれています。