Ryōnyü: tea bowl, known as “Fukuju-take”, Black Raku
Mouth diameter 9.9cm
高さ7.8cm 口径9cm 高台径 4.4cm
あまり変化のない作行きの半筒形茶碗で、口部に起伏はなく、腰を張って、胴はまっすぐに立ち上がっています。高台は小振りでやや高く、高台内は深く削り込まれ、見込には小さい茶溜りが削り出されています。外側の一方に縦に二本、黒釉をかけはずして薄く鉄釉を塗り、腰から高台にかけては黒釉が流れて不規則な釉切れを見せ、高台とそのまわりは白い土見せになっています。黒釉はよく溶けて光沢があり、ところどころに釉溜りが生じています。高台脇に隠居印が捺されています。共箱に「黒茶碗 於石山閑居造 楽了入」と書付され、了入が七十歳で石山に隠居した後の作品であることがうかがわれます。
