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鶴田 純久の章 お話
黒筒茶碗 楽翁
黒筒茶碗 楽翁

Rakuō (Tamamizu IV): cylindrical tea bowl, Black Raku
Mouth diameter 9.9cm Tekisui Art Museum
高さ9.6cm 口径9.9cm 高台径4.9cm
滴翠美術館
 茶碗の内外全面に鮮やかに朱釉のあらわれた作行きの優れた筒茶碗です。口縁はわずかに内に抱えて薄く、腰にはまるみがあり、高台はおとなしく、まるく作られています。たしかに一入の作行きを倣ったような茶碗です。しかし、口縁は薄いが全体はやや厚手に作られ、高台には目跡が三つ残っています。高台際に、いささか判然としないところもあるが、「○○八十五 楽翁 (花押)」の彫銘があある。したがって、玉水焼四代を称えた伊縫甚兵衛、すなわち楽翁の作品であることがわかります。楽翁は長命で、八十九歳記入の作品があり、明和六年七月五日八十九歳で残しています。玉水焼を支えた重要な人物であり、その作品には優れたものが多いです。楽翁の作品も、入作とされているものが多いのではないでしょうか。内箱蓋裏には 「楽翁八十五造 赤筒茶碗 八十四翁 (花押)」 と書付されています。

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