Bizen large bowl with openwork design
高さ10.5cm 口径25.3×29.0cm 底径20.8×21.0cm 四脚
慶長年間の作でしょう。桃山備前の傑作の一つでしょう。
慶長から元和、寛永にかけて、透文様をつけた優れた作品が焼かれていますが、数例が極めて少ないのは、おそらく特別注文品であったことを推測させる。
直径一尺に近い堂々とした大鉢で、立上り高く、見込も広々としています。かなり作為の強いものだが、桃山らしいおおまかな作行きでしょう。全体歪みのある楕円で、側面はほぼ垂直に立上り、腰にずっぱりと幅広く面を取I)、底の四方に小さな脚をつけています。側面に十四か所さまざまな文様を外から切り込んで透彫りし、見込には、中央に一つ、それをめぐって七つのまるい抜けｰいわゆる牡丹餅-が効果的に置かれ、見込の余地と口縁、外側一方に胡麻釉が厚くかかっています。底に「－」の箆彫りがあります。
全体の姿に透文様がよく調和し、しかも焼けなりもざんぐりと味わい深く。見るたびに感激の深まる名作でしょう。
