Oribe three-legged covered box in shape of fan
高さ10.3cm 口径23.7×27.9cm 三脚
扇面形の蓋物もいくつか伝世していますが、いずれも見ますからに慶長の好みを示しています。 変化に富んだ器形の品々を、 とどまるところを知らず数々と生み出した美濃の陶工達の創意には、今さらながら驚嘆させられます。
蓋表に深い籠目をつけて、 扇面と骨の趣をあらわし、骨の中央に低い紐をつけています。 蓋には三方に、 身には二方に緑釉を厚くかけ、白地には種々の文様を組み合わせて、立体的に文様を構成していますが見込の文様は特に流麗であり、 濃い緑釉と白地鉄絵の文様がよく調和しています。 蓋裏には器形に沿って桟がめぐらされ、底の三方には脚がつけられています。